2016年2月14日日曜日

Blur Studioによる就活講座 Part1



An Evening with Blur Studio—Demo Reels, Interviews & Industry Realities

数多くの業界人を輩出しているGnomon School of Visual Effectsが、Blur Studioのスーパーバイザーや人事担当による学生向け就職活動のアドバイスを動画で配信していたので、メモとして気になった部分を翻訳しました。
分業しすぎないジェネラリスト気質なBlur Studioならではの特徴もありますが、特にHRの生の声など聞いていてためになる部分がたくさんあります。
※後半のアニメーションとFXの話は、時間があればまた別記事で投稿予定です。




Jerome Denjean / Head of CG

デモリールとは何か? [00:12:00 ~]

・自分のスキルを証明出来る唯一の方法
・今どきは、DVDなど物理メディアで送ってくる人などいない。
・学生の時は、リールは試写室でじっくり見るものだと思っていたが、実際は限られた時間で手早くチェックしているのが現実。
ネットブラウザのタブで同時に12、13個のリールを見る事もある。
・オンライン出合い系サイトのプロフィールのように、魅力的な部分を効果的に見せる!
正直な所、90秒以上のリールを見ることはない。なので、最初の30秒がとても重要!
・ベスト作品だけが見たい。過去に関わった作品のただの羅列はNG。
・リールのBGMを聞くことはない。
・レンズフレア盛りだくさんの凝った名前のロゴなど使わない。

Character Reels [00:37:44 ~] 

・Blurではキャラクター・アーティストがモデリング、テクスチャリング、シェーディング全てを行う。
・優れたモデラーは山のようにいるが、正しいシェーディング設定、きちんとしたテクスチャの解像度などを心得ている人は少ない。
・作品をオンラインで公開する場合、連絡先を分かるところに載せる。連絡先が分かりにくい人がたまにいる。
フォトリアルな人体はクリーチャーより難しい。楽しいのは分かるが、クリーチャー作品だけではフォトリアルの本当のスキルが伝わらない。

Daniel Kho [00:25:20 ~]

・スタイライズされた作品もあるが、コンセプト画を載せていた事が良かった。(コンセプトと3Dがどれくらい合っているか見たい)

Kai Kyoungsoo Kim [00:26:15 ~]

・エリジウムのマット・デイモンの出来が良く、採用の決め手になった。
・リアルな人+メカニック部品がBlurっぽい。こういうのが出来れば採用。
・数体しか載せてないが、最後の方の古い作品と比べて、最新の作品は確実にレベルが上がっている点が良かった。
・KaiはSIGGRAPHで会場を去ろうとしていたHRにiPadで作品を見せた。作品のレベルが高かったため、たった1秒で関心を惹きつけるほどのインパクトがあった。

Environment / Lighting [00:37:44 ~] 

・Blurではエンバイロンメント・アーティストがモデリングからライティングまで一貫して行う。ショット作業までやることも。ほぼジェネラリスト。
・スケール感を正しく保つ事が全て。

Beat Reichenbach(www.artofbeat.com)[00:40:10 ~]

・ジェネラリストとしてのセンスが良い。
・スケール感をしっかり把握して表現している。



Monica Haley / HR & Recruiting Manager 

[00:44:10 ~]

・公式サイトのジョブボードや応募者から直接など、1日200通ほどのメールが届く。
・メールチェックや日々の雑務などで忙しい!たった数秒でインパクトを与える力が必要。
・大切な情報は、どのポジション?自分は何者なのか?なぜBlurなのか?何が出来るのか?
・パーティーで知り合った、人からの紹介などが一番手っ取り早くHRの関心を惹きつける。
・毎日一緒に働く相手を探しているので、笑い合ったり楽しい要素は必要だが、ユーモアはほどほどに。変な人はNG。

レジュメ

レジュメは1ページにまとめる!
スペリングは重要!(今どき、スペルチェック機能で簡単に直せる)
・レイアウトは簡素に読みやすく。サーカス・レジュメはダメ(たくさん色があり、デコレートされているもの等)。

作品

・ベストワークだけを載せる!最後の最後、たった数ショットの出来の良くない作品で、リールをぶち壊しにする事も
・レベルの高いものと、低いものが混ざっていると、良いものと悪いものの見分けがつかない人だと思われる
・静止画でも数が少なくても構わない、自分の最高傑作だけを載せること。
・色々な人に見せて、アドバイスを貰い、修正して、の繰り返し。
・動きのある派手なロゴなどをリールに載せない!時間を取らずシンプルなものを使う。
・Vimeoのリンクなど確実に機能するものを使う。自分のウェブサイトを作ったり凝った事をしても、トラブルでそれが見れないと意味が無い。サイトが見れなかったりすると、すぐ次の候補者選びに移る。

応募

募集要項を良く見て、それに応える
・ブレイクダウンを必ず載せる。どの部分をどんな風に?どのソフトウェアを使ったのか?
・複数のポジションに同時に応募しない。同じ担当者に、違うポジションでたくさんのメールが送られてしまう。(違う分野のスキルはカバーレターなどに載せる)

LinkedIn

・LinkedInを活用する。HRの知り合いや同じ職場の元同僚など、つながりのある人に「この人どんな人?」と聞いたりする事が多い。
・きちんとしたプロフィール写真を載せる事がおすすめ。決して容姿では判断しないが、職場はあくまでも普通のオフィス。クライアントも来るし、常識的な身なりで働ける人かどうかを確認したい。

面接

・スタジオがどんな会社か理解している事が大事。(各スタジオのウェブサイトなどで簡単にチェック出来る。)Blurに子供向けアニメが好きですと一生懸命伝えても意味ない。
会社に入ったらレベルの高いものが与えられるという勘違いをしない。自らそれを作り上げるスキルがあり、自ら努力して成長できる即戦力かどうかを面接で見たい。
・ビーチサンダルとか履いてこない!以前そういうラフすぎる恰好の人がいた…身なりはきちんとする。でもスーツもダメ(後でネタにされる)
・目と目を合わせて、きちんと質疑応答をする。
・面接の時もiPadやノートパソコンなどを持参して、リールや作品が見れるようにする。たくさんの応募者全ての顔を覚える事は出来ないが、リールや作品がきっかけでその人を思い出す事も。会話の良いきっかけにもなる。
・質問をすることは良いこと。質問することで会社への興味があることが伝わる。

してはいけないこと

・アポ無しで急に訪れたりしない。そんな人は絶対会社に入れない。(実際結構やる人がいる)
・会社を訪れる時は手ぶらで来ない。何も持ち込まず、関わったプロジェクトの動画をGoogleで検索し始める人がいる…
・クラウドストレージ等にアクセス出来ることを期待しない。(セキュリティ的にアクセス出来ない)
自分のスキルを誇張しない!チャンスが有ればもっと良く出来る、など言い訳しない。やれるなら時間をかけて実際にやり遂げてリールに載せて証明すれば良い。
・他の人の作品を自分がやったと偽らない。色んな人が関わったものは、実際に自分がどこを担当したかを明確に説明する。(狭い業界なので、嘘もすぐばれる。)
・故意に面接時間を引き伸ばしたりしない。終わりそうな雰囲気を察する。

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